男子200メートル走




「…準備はいいか」
「…いいッスよ」


「「いっせーのーでっ」」


「Dの2!」「Dの4!」


――歓声が木霊した。






レースは6人が競うことになるが、科の出場者は1レースそれぞれ2人ずつと決められているから、同じ組を引き当てる確率は決して高くない。
それでも同じ組となれたのは、くじ運が良いのか、日頃の行いが良いのか。

…最近は授業中居眠りすることが少なくなってきたから、後者だと思っておこう。


「せーんぱいっ!オレ、負けないッスからね!」
「オレだって負ける気ないぜ!」


勝ちたい。
いいや、絶対に、勝つ。






『では第4レースを行います。スタートラインについてください』


「位置について」

「用意」


パァン!!


発砲音と同時に、土を蹴りあげた。






((…1つ目))


『赤のハチマキをつけた2人、早くも熾烈な戦いを繰り広げています!!一人は3年レッドさん、もう一人は1年のゴールドさん!ご存じ、我らカントー学園が誇るトレーナー部の精鋭達であります!!』


このグラウンドでは、200メートル走は直線のコースを走ることになるのだが、50メートルごとに目印の旗がコース脇に置いてある。

人間の持久力では、200メートルを全力で走ることはできない。
それはトレーナーとして日々身体を鍛える彼らであっても同じことだ。

だから、初めは様子を見ながら走る。
それでも、すでに後続とは数メートルの距離が離れているが。


((…2つ!))


残りは100メートル。

足に力を込める。
頬に感じる風が強くなった。


『おぉっとぉぉ!!3年のレッドさん、加速をかけました!しかしゴールドさんもすぐに加速する!!両者、全く譲りません!!』


((……3つ!!))


残り50メートル。

隣を走るゴールドを横目で窺う。
仕掛けるなら、そう、


((今!!――…ッ!?))


目が合った。
瞬間、鋭さを増した視線が語る。


オレが 勝つ


『二人とも、ここに来て更に加速しました!!どちらが勝つのか!残り、25メートル!……15!…10!!そして…――』





ゴールテープを、先に切ったのは




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レッド…だった
ゴールド…だった

 

2009.12.13. up.

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