男子100メートル走




放送係の指示に従って、入場門に集まった男子100メートル走の出場者たち。
これから走る順番の抽選を行う。学年に関係なく組まれるから、勝負の相手が誰であるかはその時にならなければ分からない。

体育祭委員に渡された、上部に丸い穴の空いた四角い箱に手を突っ込んだ。
指先に薄い紙の感触。そのうち一枚を無造作に選び、引き抜く。


「レッド先輩!何組でした?」
「ええと…Fの3だな。ゴールドは?」


アルファベットが同じなら、同じ組で走ることになるのだが。


同じく男子100メートル走に出場するゴールドが、レッドの言葉にしゅん、と眉を下げた。
心なしか前髪のハネもおとなしい。


「…Aの4ッス。…全然違うッスね……」
「200も出るんだろ?まだチャンスはあるぜ。『良くあるこった、気にすんな』っていつも言ってただろ」
「っ!そっスね!気にしてもしかたねぇ、オレは次に賭けるッス。レッド先輩が相手じゃないなら小細工なしで一位取るだけッス。…いやー、やっぱレッド先輩は凄いッス!器がでかいというか」


泣いた赤子がなんとやら。
さっきまでの落ち込みようはどこに行ったのか、今はもうグラウンドに目をやりながら瞳を輝かせている。


「はいはい。ほら、もうそろそろ並び始める時間だぜ。ゴールドは前の方だろ?」
「じゃあレッド先輩、また200の時に!次は絶対ぜーったい一緒のレースに出ましょうね!!」







……100メートル走の結果?あぁ、一位だったぜ。
……馬鹿言うなよ。相手が誰だろうと、手を抜くレッド様じゃないぜ。
……ふーん……まぁそれは人それぞれかもしれないけど、オレはしない…出来ないな。だってそれは相手に失礼だろ。
……ああ、また電話する。たまには学校に来てくれよ、きっとみんな喜ぶと思うぜ。じゃあな、カスミ。





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さて、次はなんだったかな……


うーん…また時間が空いてるな。テントに戻るか

 

2010.10.07. up.

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