[注]レッドくんのおかあさんはログアウトしました。
夏のある日のことです。
いつものように遊びの誘いに来たグリーンくんでしたが、今日は病気でした。
今日一日、グリーンくんのおじいちゃんは大きなお仕事で出張です。
美人で有名なおねえさんも朝早くからお友達と遊びに行ってしまっていて、誰もグリーンくんの病気に気づいていませんでした。
レッドくんが言いました。
「グリーン。ひどく顔が青いよ。ぼくの家で休んだら?」
頷いたグリーンくんをベッドに寝かせて、レッドくんはグリーンくんに、あついお茶を一杯つくってやりました。
グリーンくんは、お茶を飲んで言いました。
「オレが休んでいる間に、面白い話でもしてくれよ」
「…… …… …… …… …… ……いいけど」
長い無言のあと、レッドくんが言いました。
おしゃべりが得意でないレッドくんでしたが、さすがに弱っているグリーンくん相手には鬼になれませんでした。
「でも、ちょっと考えさせて」
レッドくんは、一生懸命、考えました。
でも、グリーンくんに話してあげるお話を思いつけませんでした。
「ぼく、家の前をぶらぶらしてくる」
レッドくんが言いました。
「そうすれば、たぶん思いつける」
レッドくんは、長いことうろうろしました。
でも、レッドくんはお話を思いつけませんでした。
それで、レッドくんは家の中に入って、さかだちをしました。
「どうしてさかだちなんかしてるんだよ」
グリーンくんがたずねました。
「さかだちしたら、思いつけるんじゃないかって思ったから」
レッドくんが言いました。
レッドくんは長いことさかだちをしていました。
でも、レッドくんはおはなしを思いつけませんでした。
それで、レッドくんはコップの水をあたまにかけました。
「どうして、あたまに水をかけてるんだ?」
グリーンくんがたずねました。
「あたまに水をかけたら、もしかして思いつけるんじゃないかって思ったから」
レッドくんが言いました。
レッドくんは、なんばいも、なんばいもあたまに水をかけました。
でも、レッドくんはお話を思いつけませんでした。
それで、レッドくんはあたまを壁にドシンドシンとぶっつけはじめました。
「どうして、あたまを壁にぶつけてるんだ?」
グリーンくんがたずねました。
「あたまを壁にガンガンぶつけたら、もしかして思いつけるんじゃないかって思ったから」
レッドくんが言いました。
「レッド。オレ、もう、かなり良くなったぜ」グリーンくんが言いました。
「だからもう、話はいらないわ」
「じゃあグリーン。ベッドから出て、ぼくをベッドに入れてよ」
レッドくんが言いました。
「ものすごく調子が悪くなってきたんだ」
「レッド、おまえさ、オレの話聞きたい?」
グリーンくんが言いました。
「うん。」レッドくんが言いました。
「知ってるなら、して」
「――むかしむかし、あるところに、」グリーンくんが言いました。
「ふたりの仲良しがおりました。
グリーンくんとレッドくんです。
グリーンくんは病気でした。
グリーンくんは友達のレッドくんに、
お話をしてくれとせがみました。
レッドくんはお話を思いつけませんでした。
レッドくんは家の前をうろうろしましたが、
お話を思いつけませんでした。
レッドくんはさかだちをしましたが、
お話を思いつけませんでした。
レッドくんはあたまに水をかけましたが、
お話を思いつけませんでした。
レッドくんはあたまを壁にドシンドシンとぶつけましたが、
それでもやっぱりお話を思いつけませんでした。
今度はレッドくんが具合が悪くなり、グリーンくんはずっと元気になりました。
それでレッドくんがベッドに入り、グリーンくんが起きて、レッドくんにお話をしてやりました。
おしまい。
…こんなのどうだ、レッド?」グリーンくんが言いました。
でも、レッドくんは、返事をしませんでした。
レッドくんはもう、ねむっていたのでした。
本当は
原文「かえるくん。きみ ひどく かおが 青いよ。」
「だって ぼく、いつだって 青いんだよ。……ぼく かえるなんだもの」
をパロって、
「グリーン。ひどく顔が青いよ」「だって オレ、グリーンだもの」とやろうとしましたが、あまりにシュールだったのでやめました(笑)