ひと悶着はあったが、現在3周目の第5両である。
3回目ともなれば落ち着いて参加する子を選べたし、選んだメンバーは文句のつけようのない選出である(キリッ
この車両に乗るとき、駅員に「ここまで来たならボスまでノンストップでゴーですよ!」なんて可愛い言葉もちょうだいしたことだし、こうなったら最後までやってやるです!
「ゲンガー、10まんボルト!」
「えっ…あ、あぁっ、アーケオス!」
…あー分かるわその気持ち。
アーケオスは特性よわきが発動する前にその高い攻撃種族値で一撃で落として華々しく退場するのが一般的な流れだ。
だから努力値は基本的に素早さ全振りである。大抵のポケモンには素早さで負けることはないから、今回もいつも通りの流れの予定だったのだろう。
でも同速で技の優先度が同じだったら先手取るのはランダムなんだよね。せっかく性格と個体値粘って最速仕様にしても相手も同じだったら結局運っていう。
ちなみにアーケオスとゲンガーは素早さ種族値110なんだよ!羽根のあるアーケオスが蛇姫ことジャローダに3負けてるってのはよく分からないね!!素早さランキング上位は虫(テッカニン)とか電気玉(マルマイン)とかだけどさ!
「きあいだま!」
「うわぁ、バッフロン!」
だからってトレーナーまで弱気になってたらダメだっての。勝負は最後まで分からないんだから。
…しかしまぁ、これで19連勝か。サブマスは21戦目だから、先が見えてきたといえる。3周目ともなると最終進化系が解禁されるため、サンタテオツな展開はほとんど無くなってきたが、しかしこのまま突き進みたい。
「対戦ありがとうございました」
「…ありがと、またバトルできるといいな。今度はスカーフ巻いてくるから」
それで諸刃の頭突きとか勘弁してね。前それで三タテされたから敵のアーケオスは軽くトラウマってるんだよね。
握手をしながら曖昧に返事し、次の車両に進む。
…うはっ、メイドktkr!
「ゴタクハイラナイヨ……タダブッツブスノミ…」
こわっ。
「ギギギ…」
こわっ。
リアルファイトを仕掛けてきそうなテツさんを警戒しながら、ポケモンを回復させる。
そうだ、起きたら一番に携帯見よう。日曜通り越して月曜日だったら死んでも死にきれん。
画面に『次は7両目です。対戦を続けますか』の表示が浮かんだ。
色々あったがメイドのテツさんも撃破し、次が7両目である。
つまり、次がサブマスが乗車している車両ってことだ。長かった夢もようやく終着駅か。…あれ、今うまいこと言ったんじゃね?
「続ける、っと…」
次の車両へお進みくださいと言われたわけではないが、背後からの無言の殺気にも背中を押され、貫通扉へと向かう。するとガラスの向こうに記憶にある黒いコートが見え、は無意識にモンスターボールを撫でると、乾いた唇を舐めた。さすがに緊張しているらしい。
そうして、貫通扉に手を伸ばした。