「確認ですが、このバトルはサブウェイスタンプラリーの達成特典として行われる特別バトルでございますから、1対1、挑戦者のみ道具使用可、レベル制限なし、のルールでございます」
「まともに戦いたければ素直にトレイン乗ってろ廃人どもってことですね分かります」
「誰も言っておりませんよ!?」
ルールを確認したところで、リスタートだ。
ノボリといえばシャンデラ。シャンデラといえばノボリ。そう言われるくらいには、絆の深いふたりである。まさか世界が違っても一緒だとは思わなかったけど。
特攻お化け特攻お化け特攻お化け…潰すしかありえないwww
「シャンデラ、出発進行!」
「シャシャシャシャ〜ン」
「ヤ…ヤャンデラ、お願い!」
「ヤャンデラwww」
ただ一つのモンスターボールに入っていたポケモンは、なんの因果かシャンデラだった。
それも、勘の良い人ならもう分かっているだろうが、いわゆる役割論理に則って育成されたポケモン(通称ヤケモン)。なんとこの世界の私は論者らしい。本当になんということだ。
図鑑を使って確認したところ、王道通りのHC振り性格ひかえめのシャドーボール/オーバーヒート/めざめるパワー闘/寝言。極め付けにNNがヤャンデラである。ひどいセンスだ。
対シャンデラを想定してだろう、持ち物は炎のジュエルではなく拘り眼鏡。技構成はシャドボ以外半減無効貰い火強化、と、そもそも対シャンデラ向きではないが、シャドボが刺さりさえすれば勝てると思ったのだろう。果たして確1である。
拘りスカーフだったら先手シャドボで確1勝利するだろJKとかあーあー聞こえない。
今までさまざまなコンセプトパ、趣味パ、ネタパを展開してきたが、流行の去ったロジカル理論に則ってバトルをしたことはなかった。
だがその可能性もあったのだと、人生を役割論理とヤーティ神に捧げることもあったのかもしれないと、こうして目の当りにすると感じるものもある。
…でも持ちポケ1匹はさすがにありえないwww
「シャンデラ、サイコキネシスです!」
「デラッシャ〜ン」
シャンデラのサイコキネシスが、ヤャンデラを襲った。
過たずヤャンデラが圧され、沈む。
「…ヤャン?www」
しかし、すぐに浮き上がり、挑発するように鳴いた。
先手を取りながらもシャドボを打ってこないということは、そもそも持ってないということだ。
動きを見る限り、素早さにいくらか努力値振りをしている。特攻に極振り、あとは素早さHPに調整振りってところだろうか。特攻エース型にもっともよく見られる型である。
タイプ不一致サイキネでこのH極振りヤャンデラを落とそうってのがありえませんぞwww計算するまでもなく4割減ってところですなwww確2にもならないとはwww
拘り眼鏡持ちなら確2になりますが、イベントとはいえ持ち物なしとは舐めプにもほどがありますぞwww
追加効果で特防が下がったとしても、我の負けはありえないwww
「シャドーボール!!」
「ヤャンwwデラwww」
ヤャンデラの体から黒影の塊がいくつも放出され、過たずシャンデラへと襲い掛かった。
当たれば確定1のタイプ一致弱点技だ。シャドーボールは命中率100パーセント、回避率が高まる特性でなく、そういった技も使っていないシャンデラが避けるわけ――…
「交わしなさい、シャンデラ!」
「は!?」
シャンデラはサイコキネシスを壁のように張り、それによって若干軌道の変わったシャドーボールの隙間を縫って避ける。
「もう一度サイコキネシスです!」
「――ッ!」
シャンデラの体が再び青く輝き、ヤャンデラへと強念力を飛ばす。
回避行動を取る隙はなく、衝突した。
――しかし、このサイキネは確定で耐える。
「HC振りは絶対正義ですぞwwwって、ここ、アニメの世界なのね…」
思えばコマンド『交わせ』が出てきた時点で判断できた。
楽々避けられるとか恥ずかしいが…、
「でも私に二度は通用しないッ、――シャドーボール!!」